ホッケー部時代の思い出

貴重な時間

 今、松山南高校で過ごした3年間を振り返ってみると、たくさんの思い出が頭の中を駆け巡ります。「自らを律せよ」という校訓を掲げスタートした高校生活。新しいものとたくさんの出会いがある中、私はホッケーに出会いました。

 私たちホッケー部は、「愛されるホッケー部」を合言葉にチームを結成しました。そして、掲げた目標は「全国で戦えるチームとなり、上位を目指す」ことでした。しかし、全員がホッケー初心者であった私たちにとって、全国で戦えるチームになることはそう簡単なものではありませんでした。松山南高校のホッケー部といえば、全国大会の常連であり私たち自身も21年ぶりのインターハイ1勝を果たす成績を残してきましたが、幼いころからプレーしている全国のプレーヤーに勝つためには、短い練習時間をフルに使い、技術を磨くことはもちろんのこと、それ以外の部分でどれだけ全国レベルのことができるかが大切となってきます。

 そこで、私たちは“think ahead”(前もって考える)という言葉をテーマに、どうすれば点が取れるのか、どうすれば勝てるのか、どうすれば本当に強いチームになれるのか、など常に「考える」ということを大切にしてきました。日々の練習から「頭の疲れるホッケー」を心がけ、復習し、反省するためのホッケーノートを毎日書きました。おかげで成長の足跡を残しながら少しずつでも、着実に前進することができたのだと思います。

窪田早紀(南高62期) 

※愛媛県立松山南高等学校 創立120周年記念誌より

答辞より抜粋(平成26年3月1日)

 私の高校生活のほとんどを占めていたことは、ホッケー部での活動です。先生方や先輩方は、ホッケーというスポーツの楽しさをたくさん教えてくださいました。

 ゼロから学び始めた一年生のことは、先輩についていくことに精いっぱいでした。インターハイベスト8を目標に掲げていたため、練習はとても厳しく、何度も投げ出したくなることがありました。しかし、全国の舞台で強い相手に対しても堂々とプレーする先輩を見て、その姿を追いかけるようにどんな練習にも真剣に取り組みようになりました。

 そして、あこがれていた先輩方の思いを引き継いで私たちが後輩を率いる立場になりました。「先輩を超える」という先輩方との約束を果たすため、私はキャプテンとして最善を尽くそうと決意しました。しかし、新チームを作ることへの不安とプレッシャーに押しつぶされそうになっていました。

 そんな私を支えてくれたのはチームメイトでした。隣でいつも支えてくれた副キャプテン。プレーで貢献する絶対的エース。さりげない優しさと愛情でチームを思いやる友人。誰よりも先に練習にきて熱心に後輩に指導する友人。誰よりも親身に相談に乗って助言をくれる友人。私の周りにはチームを救ってくれる最強の仲間がいました。そして、そんな私たちをいつも慕ってくれる後輩がいました。お互いに厳しく、信頼し合える素敵なチームメイトに出会えたことは奇跡としか言いようがありません。私はこのチームの一員でいられたことを誇りに思います。

 部活動の目的はスポーツで勝つことや楽器が上手く弾けるようになること、知識を深めることはもちろんですが、私たちはもっと大切なことを学び手に入れました。この経験を今後に生かしていきます。

村上瑛夢(南高65期)